Hexarthrius bowringi

ボーリンフタマタの飼育

現在までに北インド・ダージリン産とブータン・サムチ産が入荷済みですが産地による明確な違いは無い様です。個体差で赤い個体と黒い個体が存在しますが、赤い方がスタンダートでしょう。
独特の大顎を持つ本種は見る角度を選ばず絵になるクワガタです、ブリードが比較的容易なフタマタ属の中でも一際クセ有り、数が採り難くく結果を出すのに労力を必要とします、その辺りも人気の衰えない理由の一つかも知れません。
之から挑戦する方へも悪戦苦闘の飼育記録と合わせて御観覧頂けますれば微力ながらも参考になるのではと書き留めました。

2015/6/20追記
2014年にインド・アルナーチャル産が入荷しました。ボーリン最大の特徴である内歯の突起に違いが見られます。

幼虫飼育

当方の飼育において発酵マット・ヒラタケ菌糸・カワラ菌糸・材飼育の何れでも飼育実績が有ります。
羽化までに要する期間は♂10〜20ヵ月、♀9〜18ヵ月程度です。
幼虫の飼育方法によって羽化までの所要期間は大きく違いが出ます、季節を感じ易く冬季を挟んで羽化ズレすると致命的です。手持ちの数が少ない場合は餌交換や温度調節でタイミングを合わせる必要有ります。また材飼育では約2年要しますが、羽化時期が合い易いメリットが有ります。
羽化からペアリングまでの期間

羽化より1ヵ月半〜2ヵ月間は休眠させ、後食より1ヵ月前後でペアリングさせてます。

ペアリング

私自身は過去のブリードで♀を殺された事は一度も無いので顎を固定せずに行ってますが、♀殺しの事例も聞いてますので個体数に余裕も無く不安な方は固定した方が賢明でしょう。
産卵セット

基本的に他のフタマタ種と同様に材を半埋めしたセットでOKです。
産卵木にはVN材がベストですが、近年入荷する物は6年前に入手していた物とコンデイションの差は大きくコスト面を考慮すれば柔らか目のコナラ材を沢山使う方が良いと思います。細かい点は飼育記録を参考にして下さい。

ブリード成功へは

産ませてからが勝負の虫です、多くの幼虫を孵すのには運とそれ以上に飼育者側の経験値で差が出ます。また、そこが飽きさせない魅力の一つなのですが。(^_^;)

ボーリン♀の頭部の特徴
頭部の点刻は薄くフォルスターに近い感じです、只ボーリンは頭部中心に沿って微妙な窪みによるラインが見る事が出来ます。ウッデイー♀の様にハッキリと判るものではなく、光の加減と角度を付けないと画像には写らない程度です。
体型は個体差が有りフォルスターでも良く似た物が出ますが、頭部のラインはフォルスターでは見る事が出来ません。

*全てのフタマタ種♀を見て書いてる訳では有りません。(^^ゞ