Hexarthrius mandibularis mandibularis

sabah,North,Borneo

WD入荷も暫く途絶えている北ボルネオ・マンディブラリスです、赤い個体の出易いサバ産ですが、必ずしもそうなる訳では無く通常の黒い個体も出るとも事前に聞いてましたので、如何に赤みの強い個体の出現率が高い血統を作ろうと雌雄共に赤みの強い個体を複数使い数ラインでブリードしました。全てCBラインにて今期羽化の個体で赤いのが出たら種親にして徐々に固定を〜との計画でしたが、1代目にして♂が全て赤い個体で羽化してきたラインが出ました!
「100%ドルクス」様より購入した赤♀3頭を用いたラインからです、他のラインでは黒い個体も出現したのですが、この3姉妹が産んでくれた幼虫は全て赤みの強い個体にて羽化してきた訳です。
この血統からは当方以外でも幼虫を御譲りさせて頂きました先にても同様に全て赤いマンディブが羽化したとの報告も受けており予想以上の好結果に驚きです。

画像の個体は8月中旬羽化、撮影日は11月25日と羽化より3ヵ月経過しており羽化後日の浅い個体では有りません。
ボディの赤さは全体的に真っ赤では無く手足と腹部と頭部そして上羽根にグラデーション掛かる様に赤が出ます。説明

画像は夜間室内蛍光灯下撮影でフラッシュ未使用です。

左画像は室内撮影ですが、日中の日が差し込む場所での撮影です。(照明、フラッシュ無し)

種としてコレ以上に赤くなるのか非常に楽しみで次世代に期待がかかります!説明

この画像は今一つ上手く撮れてませんが、野外太陽光下においては全体的に赤く見る事も出来ます。

今回のマンディブラリス、ブリード結果見出し1

惜しむべくは他フタマタ同様の交換サイクルで行い1本目のカワラ菌糸800ボトルで引っ張り過ぎてしまった事でしょうか。気が付いた時には30g前後になっており、2本目で用意していた2L、3Lボトルは例外無く蛹化ボトル(捨て瓶)に。(^^ゞ画像説明

今期羽化したサイズの最大個体は103mmでした。
羽化後に人工蛹室に伸びてる状態では4〜5mm大きかったのですが3ヵ月後の計測時ではヤハリ縮んでしまいますね〜説明

人工蛹室で羽化した個体は比較的完品にて羽化してますが、放置しボトルから成虫で掘り出した個体には顎ズレやデインプルが出てしまったのもおり些か後悔してます。

幼虫飼育には他のフタマタ同様にVNマットと菌糸を使用し成虫へ返しました。特にカワラ菌糸飼育下では成長速度も著しく早くて相性も良く感じました。次回は早めに大きなボトルへスイッチしデカイのを狙いたいと考えてます。スマトラのWDでは巨大個体の入荷も良く見かれられますけど、赤いボディで出して見たいですね!説明
マンディブラリスのブリード見出し1

スマトラ産に比べボルネオ産は比較的おとなしいとは言われてますが、ヤハリそこはマンディ、十分気性は荒く餌交換などでも顎を振り上げ威嚇してきます。ペアリングには注意が必要で、むやみに行うと興奮した♂に♀が挟まれ致命傷を負いかねません。一般的な顎を針金やグルーガンで固定する事でリスクを回避出来ますが、それはそれで♂が嫌がり慣れてくれるまで時間が掛かるので、我が家では固定無しの同居にて行ってます。大型個体のペアリングは小さなケースは不向きです、中プラケース以上にて行い足場になる大き目の材をマットに少し埋め込む感じで入れてゼリーを数個置き後は♂と♀は離して入れればOKです。

先にも触れましたが♂の気性が荒く他のフタマタ種ボーリンやフォルスターの様に即見てる前で交尾するのは稀です、大方は明かりを消した夜間に材と材の隙間か材の下に居る♂の懐へ♀が潜りこみ最初の交尾を行ってますよ!


同居後、速やかに事が済めば他のクワガタ同様にメイトガードにて仲良く餌を摂る光景も見られます。

メイトガード中にも交尾をしてますから、ブリードを万全にする為にも少しの間はそのままで、一旦♀が離れたなら同居を解除し♀のみ産卵セットへ投入です。フタマタは交尾欲が強くいつまでも♀を追いかけまわし嫌がる♀に致命傷を与えかねませんので。

♂102mm×♀52mmペアリング ♂♀ドチラかの成熟が浅い等の理由で別々にマットに潜ったままで交尾をしない時は少々リスクが高くなりますが、埋め込みマットを浅くし餌皿と足場になる材片を入れたケース内での同居にて交尾を促します。我が家では通常コチラの方法ですが、マンディブでも今まで♀を殺された事は有りません。

十分成熟した個体同士でも威嚇してる状態の♂の近くに♀を置くのは危険です、必ず離れた場所に配しましょう、♀が興奮して動き回る場合も同様で時間を置いてから試みるのが賢明です。

産卵セットは一般的なフタマタのセットで産卵木を数本半埋めぎみに並べればOK。特に癖が少ないので特に高価な材でも無く、コナラやクヌギのホダ木でも問題無く産んでくれるのが有り難いですね、♀のサイズに合わせて産卵木の大きさもチョイスすれば良いと思います。50mmクラスの♀になると結構パワフルに齧るので、柔ら目のS〜M材を与えても見た目が齧った割には出てくる卵の数は伸びません、、
卵は丈夫で孵化率も高い部類ですが、産卵木にカビが廻り卵室にもカビが出る様な環境下の場合は早めに採卵し孵化させる方が良いと思います。