Rhaetus westwoodi kazumiae

ウエストウッディカズミアエオオシカクワガタ
産地〜ミャンマーカチン

ミャンマーに生息するオオシカ唯一の亜種カズミアエ。
野外品の発生時期は原名亜種より少し早く7月位に入荷します、ここ近年では入荷頻度は低くその数も僅かです。
原名亜種ウッディとの明確な違いは一目で分かる大顎にあります、原名の緩やかに描く大顎の曲線美とは違い直線的に伸びた大顎と大きく張り出た内歯が特徴です。
 私的には原名の大顎付け根に有る上下の派手な突起が好きなのですが、カズミアエはそれが微妙な大きさなのが残念に感じます。それでも85mmを超えてくるとオオシカの名に恥じない迫力です、いつの日か90UPを出したいですね!


幼虫飼育
食性に関しては原名同様で発酵マット・ヒラタケ菌糸・カワラ菌糸の何れでも飼育可能です。
原名亜種の♂の場合、平均20〜25gまで成長してから蛹化〜羽化するのに対しカズミアエは20g以下でも蛹化〜羽化してきます。その為、幼虫期間も短いものになりがちで雌雄共に1年1化で羽化する比率が高い。
当方の経験上、♂は1年1化が7割、2年1化2割弱です、3年1化のケースは1件のみと極稀です。
♀は8割以上1年1化となります、♂の1年1化を羽化目標としたカワラ菌糸での飼育も羽化時期を合わせる有効な手段です。

オオシカとは言え70台での羽化が大半でだと思いますが、85mmを超えてくるとカズミの特徴も際立ち見応えが有ります!最終25g目標で飼育して見て下さい。


新成虫の管理方法と休眠期間もも原名ウッディと同じです、そちらを参考にして下さい。

産卵セット

発生時期に合わせた7月に活動開始させるべく、その2ヵ月位前から管理温度を常温に近付けて行きます。 成熟してる個体なら作業もスムーズです、ただフタマタ同様に交尾欲が強く♀を追い回す場面も有り、突き出た内歯が♀に致命傷を与える可能性も高く、事故防止の為に顎の固定はしておいた方が良いです。私も過去にやられてますので。

原名ウッディとカズミアエは産み方に相違点が見られました。産卵木の好みも煩く無くコナラ材や殖菌材にも反応が高く、また木口や材の断面へも好んで産卵する傾向も見られ、それに準じたスライス材を用いた産卵セットも有効でした。 もう一つ感じた点はは原名ウッディがマットより上へ産むのに対して、カズミアエは下側を好む傾向があります。
それゆえセットの組み方は産卵木を8割方埋め込んだ通常のシカセットや材を半分埋めしたフタマタセットでもOKです。

注)平均的なサイズ40〜44mmの♀を対象としたコメントです、50mm前後の♀の場合は原名と同じセットで良いと思います、ポイントは♀のサイズに合わせたセットを組む事ですね。


カズミアエは1年1化のサイクルでブリード出来る割合も高く、比較的に産ませ易い傾向の有るカズミアエの方が原名ウッディよりブリード難易度は低いものと感じます。
ただ、原名ウッディ同等に♀の当たり外れで成否が左右される点は共通でして気を抜けません。野外品の入荷数も少ない種ですから大事に飼育して下さい。