Kirchnerius guangxii

キルクネリウスグアンクシイの飼育

2009年初入荷した新種のクワガタです、WDは♂で40台〜55mm、♀は30mm前後が一般的ですが、他に類を見ない特異な形状の大顎を持ちサイズ以上の存在感が有ります。入手時は四川省産との表記でしたが、広西壮族自治区 大明山の固有種が正しい様です。

この生体は浅草の「Ultimate Mika KABU KUWA」こと三ヶ島氏から初入荷の御知らせを1ヵ月前に聞いており、その時に画像を見てコンナのが居るんだ〜と思っただけでしたが、別件で赴いた際に実物を見せて貰い思いっ切りツボに嵌り購入に至りました。
現状ノコギリに属するのでは?と聞いてますが、明確に判って無い為にブリードするにも、一抹の不安も有りますが頑張って見ます。

正に子供が絵に書く様なクワガタで大顎の造形美は小型ながらも最高クラスでは無いでしょうか?
顎だけ見るとボーリンの雰囲気も有りまして特に顎の付け根部の内歯はそれ以上の迫力を魅せてくれます。触覚は3節にて6節のフタマタ属では無い様です、前胸部なんかはシカ系に似てます。

生体を持ち帰りBE-KUWAのノコ特集、シカ特集、ドルクス特集を読み返しながら実物と見比べるもノコには見えませんが・・・全体のフォルムは細くて奄美シカの♀に似てる気がします。実物を見せた友人達の見解もシカだコクワだと色々でした。  (^^ゞ


09/8/13  グアンクシィ産卵セット開始
今回53mm♂/29mm♀のペアと29mm♀単で入手しましたので1♀はペアリングし確りと追い掛けします、もう1頭は持ち腹でセットを組んで完全別血統の2ラインの確保をと。で、イザお見合いです。
初物でしたが今回も顎の固定はせず試みたんで少しドキドキでしたが、スンナリと♂の懐に潜り込み問題無く事は済みました。。この後一晩メイトガードで餌を摂らせてからセットへ投入です。

実際に組んでるセットです、上部からでは良く判りませんね、、当初は属種がハッキリしてない虫なんでノコ、シカのドチラでも対応可能な感じでセットを組んで見ました。約10日で確認した際の採卵にて大よその見当も付き、今後のセットの組み方も確定しました。

マットへの産卵も想定してましたが、我が家でのセットでは全て材からの採卵になりました。
産み付け方はシカ・フタマタに酷似してます、やはりシカに思えるゾ。
好む材も正にソレ、画像はVN材の産卵痕部位を一層剥がし産み付けられた卵。
木口にも好んで産卵します。只、割り出すと材の再利用が困難になるので回収しませんでしたが、次々回の採卵時に無事孵化しており幼虫にて取り出せました。

幼虫もそこそこ確保出来まして一安心です!(^^♪
コレで大型個体目指して幼虫飼育を楽しめます、発酵マットでも問題無く育ちそうですが数も居るので菌糸にも投入し耐性を検証して行こうと思います。
我が家でシカ・フタマタ種に使用してるカワラ菌糸へ投入も現状特に落ちる事無く成長してる様です。

セット開始後〜4ヶ月目

WD♂は10月中に没しましたが♀は2頭共に11月も半ばに差し掛かりましたが符節が取れる事も無く健在です。

前回10月中の割り出し(採卵)を最後にしようとセットも解除しケースに移しゼリーを与えてました、予想以上に状態も良く餌喰いも良いので再度セットを試みるも新たな産卵は有りませんでした。WD♀は12月まで生存しており餌も摂っていましたが、気温も低下し管理温度もセット当初より5℃は下がってましたのも要因と思います。

画像は3令♂です、頭部も大きく感じまだまだデカくなりそう〜何gまで成長するのか楽しみですね。

初期ロットの幼虫達の大半は3令に加齢してきました、マットも菌糸も相性良く幼虫期に落ちる事は稀の様です。
他の種同様にカワラ菌糸組みが成長著しく感じますがマット飼育組みの方も3令加齢後は同じ位に成長が追い付きましたので大差は無い様で、管理温度による方が影響が大きいかも知れません。

12月9日
画像はカワラ菌糸にて飼育中の3令♂で11g
先日のマット交換時にても10g前後に至ってましたがカワラの方も相性が良く順調に体重も推移してます、この時点で大歯系も確定かな?50mm以下の羽化は無いと思いますが。

2010 飼育経過
中国sp,3令♂ 画像はカワラ菌糸800ボトルで飼育中の♂3令個体、予想以上に大きくなって来てます。

も変わり初回採卵ロッドは6ヶ月目に入り幼虫達にも変化が!♀が数頭蛹へ、他にも前蛹化してるのを確認してます。
♂も前回のボトル交換後に容姿が見えないのが居ますので蛹化へ入ってると思います、春先頃から羽化ラッシュが予想されますね

1月30日

♀の蛹より最初の1頭が1月末に羽化。

8月孵化の幼虫にて羽化までの期間は5ヵ月半と早いですね〜、この種親WD♀が落ちたのが1ヵ月前ですョ。WD発生時期から考えて恐らく5〜6月位まで寝るのでしょうか?♂の羽化が待ち遠し〜

China sp,♂蛹
3月2日  ♂蛹画像

♀が続々と蛹化して行く中、若干の焦りも有り1頭カワラ菌糸にて飼育中の3令幼虫を発酵の浅いマットを詰めた500ボトルへ移し蛹化を促してみました。首尾良く翌週には蛹室を作成し最初の♂の蛹を見るのを楽しみにしていました、蛹化ボトル投入時10g位でしたので内歯の特徴が出るのかと不安も余所に画像でも分かる様にキチンと出るトコロは出た見たいです!

蛹顎の形状
3月22日 ♂蛹顎の形状

♂蛹の顎部をアップで載せました、既に数頭の♂が蛹になりましたが全て同じ形状です。顎付根に近い内歯の突起は見ての通りで、この時点で良く判るものですが、顎先が二股になる部位は現状見られません。
後、2週間もすれば顎も形成され目視可能でしょう。
何と言ってもコノ虫は内歯の特徴が出てこない事には種としての魅力は皆無ですから、今回の検証でボーダーライン的な事も分かったので一安心かなと、残りは概ね今回蛹にした幼虫より2〜3gは大きな幼虫が殆どですから〜そのサイズにも期待が出来ますネ!

4月5日  ♂新成虫羽化開始!

3月末から待ちわびていた♂の羽化が始まりました!!画像は今期羽化第一号の個体です。概ね種親の53mmと同じ位に見えます、今日も1頭コレよりも大きな個体が羽化中ですがチト60台には届かない様です。
蛹で確認してるものは殆ど同じ位ですので60upは未だ幼虫君してるのに期待を残すのみかな。

グアンシィシカツノ飼育考察

入荷当初は四川省産地の新種として入手したのでしたが、後に広西壮族自治区大明山産地にても同種の入荷が有った事を知り更に固有種との記載が・・・?。些か困惑し他方に渡り確認も現状では四川ラベルの別産地と言う事で良い見たいです。現地キャッチャーが実際に採った場所を偽るのも当たり前の業界ですから何が正しいのか・・只どの様な環境で虫達が生息してるのかも知りたい訳ですし、出来るだけ正確な情報を掴みたいのですよ。

5月も半ばを過ぎ低温域にて管理していた♂2頭も蛹になり、幼虫はゼロに。
之までの羽化サイズは♂が53〜56mm、♀は30〜33mmです。
当初心配していた短歯型の♂は出ませんでしたので余程手抜きしない限り大丈夫の様です。

本種最大のセールスポイントは何と言っても前方に突き出る内歯!!
この虫の魅力の99%位占めてますね。
最近になって我が家以外の飼育個体を見る機会も増え、その形状にも微妙に個体差が有るのでは?感じてます。

幼虫飼育には2♀からのブリードで個体数に余裕も有った事で、添加発酵マット・カワラ菌糸・オオヒラ菌糸と試して見ました。オオヒラのみ♀に偏りましたが、全てに措いて相性良く成長しました。
羽化までの期間は♂で8〜9ヵ月、♀が6〜8ヵ月です。昨年のWD個体が年末まで生存してた事から6ヵ月近い寿命は有ると考えられ、2ヵ月位の羽化ズレでもブリード可能でしょう。