Prosopocoilus mirabirisu


ミラビリス&ウムハンギ飼育記録

今年2009年5月にWDペアを入手〜
以前より興味が有ったのですが、我が家ではフタマタ、シカ系に合わせた低温域の管理スペースが殆どですのでノコ系には触れずに居ました。その後の調査で22〜3℃前後でも飼育可能な事に加えてフタマタ系同様の表面産みをする種で有ると分かり、WD個体で入手する機会を狙っておりました。5月17日に生体が届き始めて手にして思っていた以上に綺麗なクワガタでした。

ミラビリス産卵セットへ

まず最初にペアリングをするか否か悩みました、、一応は気性が荒いノコ系ですが、顎を縛るのが嫌いなんで出来ればこのまま産んで欲しいとメスのみを産卵セットへ投入。事前リサーチでは乾燥気味の材が良いとの情報も有りましたが、自分が通常にしているフタマタの産卵セットに各種材を混ぜて反応を見てみる事に。1週間後には入れた材全てに齧った跡が見られ産卵した材と齧ったダケの材に分かれており、おおよその好みが判明したので今後の目途が立ちました。

●テスト使用した産卵木の結果
・コナラ材 〜 齧った痕跡は一番多かったのですが産卵には至らず。(固かった?)
・殖菌レイシ〜 MとLサイズを適度にカットして使用しました、小口断面より1個採卵。
・VN材現行バージョン(樹皮の厚いタイプ現行の材でも肉質の柔らかい物を使用)
 一番良く齧り卵も3個採れましたが、若干硬い材へは産卵数ゼロ、コンディションの差が 大きい材なので良い物を選びたいところです。
・VN材(樹皮の薄い以前の物)〜現在同時進行中ボーリン採卵後の二次使用で、採卵時に二層 めくってますが材の肉質が良いので♀も産み付け易い様で採卵個数は4個。

*ヤハリ他の表面産みと同様に、肉質が良く適度に柔い材へ好んで産卵する様です。
(柔らか過ぎたり、スカスカの材はNG)
追加・殖菌レイシ材の皮を剥き時間を置いた物が結構良い感じで産んでくれました、
一度レギやババイに使用した材の二次利用でもOKです。

卵はどれも綺麗に埋め戻しされており、おそらく材中にて腐る事も無いとは思いましたが採卵するのが好きなんで組んでから2週間目までの分を全て割り出した採卵数は8個、比較的ダラダラと産むと聞いてますので妥当なトコロでしょうか?

採って見た感じ卵は丈夫な種の様です、産卵より1週間経っている物は既に丸く膨らんでおり、2日目位のでは小さいものの採卵後も腐らずに綺麗に膨らんで来ました。

ミラビリス無事孵化
産卵後より約20日経過で孵化が始まってます、WD個体ならではでしょうか?予想以上にスムーズなブリードです。幼虫はフタマタ(フォルスター)並みに小さいので超微粒子マットにて当面は管理です。

そして〜!
ミラビリスの孵化と同じ日にウムハンギWDペアが我が家に来ました、ミラビの様に簡単では無いそうです〜大丈夫カナ??

ウムハンギのブリード開始!
以前より懇意にして頂いてる浅草の「三ヶ島氏」より入荷の連絡頂き受け取りに行って来ました。

ウムハンギも誌面や画像でしか見た事の無い種で初めて生体を拝見させてもらい同じ位のサイズでも個体差が有るのが興味深かく、顎が太いもの、ミラビリス似でノコらしいもの、内歯の張り出し具合や上羽も色濃く艶の有る個体と色が薄くソリッドな感じの個体が存在し色々見比べて自分が当初よりイメージしていた個体を選びました。

ミラビ同様にWDなので♀のみ産卵セットへ投入しても良いのでしょうが、折角♂個体を選んで購入出来ましたのでペアリングを済ましてから産卵セットを組もうと、めったに使わないグルーガンを引っ張り出して顎先を固定し落ち付くのを待ってからミニプラケースで同居させて見ました。

ウムハンギのセットもミラビリス同様にコナラ、殖菌レイシとVN材で組んで様子を見てみる事に。
3日後にチェックして見ると産卵痕を二か所発見!

採卵には未だ早いと思いつつも殖菌材は菌に巻かれる事が有るので我慢出来ず採ってしまいました。産卵をしていた材は殖菌レイシ材とVN材(現行物)より各1個です。

ミラビリスWDペアの入手より約2ヵ月後の詳細です。孵化した幼虫9頭、回収済み卵6個、之までに腐った卵は0、と言う事で産んでさえくれれば何とかなる様です、♀は符節切れは有りませんが少々御疲れ気味見たい、当初の目標20頭まで後少し頑張って欲しいトコロです。。

さて、ウムハンギの方はと言うと・・・・

ウムハンギ苦戦です。
産卵セット投入直後に2個を産卵した後はサッパリ産みませんでした。
♀は材の下で若干齧る程度の行動のみで、テコ入れに♂をセットへ入れ同居させたり材を変えて見たり
しましたが産卵には至らず、更には採卵した卵も程無く腐ってしまい1頭の幼虫を採れないままで半ば白
旗を上げる寸前です。


このまま終了とも思いましたが、折角選んで入手したWD♂です何とか累代して行きたく考え今度は飼育
品の♀を入手し再挑戦することにしました。

ウムハンギ飼育品♀にて再挑戦!
ウムハンギに使用した産卵木 今回入手した♀33,9mmのWF2で以前のBE-KUWA飼育Gの子供と言う事で文句無しです、更には1ヵ月前より後食済みとの事で到着後にペアリングも難なく完了し産卵セットへ投入出来ました。今回は最初からVN材を使用しセットより2週間で左画像の様に多数の産卵痕も有り期待出来そうです。

マットへ半分埋め込んだ産卵木の下部に産卵痕は集中しており、埋め戻しにマットを使っているのが良く分かると思います。

埋め込みマットには劣化し難い「Rマット」を使用しているので直ぐに割り出さずとも良かったのですが、性格上ここで止める事が出来ずに木口以外の産卵痕は全部捲り採卵してしまいました。

回収した卵は9個と良い感じです!
木口の産卵痕も含めれば10数個は産んでいる様なので今後の産卵数にも期待が持てそう〜無事に全部孵化して欲しい。

ミラビリスってマット産みするの?
ある程度の幼虫を確保出来たミラビリスのセットをコンテナから材1本入れた小プラケースへスケールダウンしようと中身を何気に返して見ると幼虫5頭が埋め込みマットより出て来ました。これまで難易度の高い虫と言われてましたが、条件次第でマットへ産卵させるのも可能らしいです。

回収した卵は9個と良い感じです!
木口の産卵痕も含めれば10数個は産んでいる様なので今後の産卵数にも期待が持てそう〜無事に全部孵化して欲しい。

ウムハンギ孵化!
ウムハンギ孵化直後幼虫 WD♂と飼育品♀の幼虫が孵化して来ました !(^^)!
採卵した卵は腐らず膨らんでいたのでイケると思いつつも1頭孵化するまで不安でしたから一安心です。

最初の1頭を皮切りに日々1頭2頭と孵化が始まりました、この分ならば採卵した14個の卵も無事に孵りそうです。セット開始より約1ヵ月目の状況では20個位産みながらも、未だペースは落ちて無いので新たに材を入れ替えてセット継続中です。

ウムハンギの産卵セット
ウムハンギの産卵セット ウムハンギもミラビリス同様に本来は卵の丈夫な種と感じました、ならば敢えて採卵せずとも採れる虫と確信が持てた事で材を当初の2本から3本へ増やして暫く採卵しない方針へ変更です。

画像中央の材は当初より入れてた物で割り出さずに裏返して全面に産ませてます。ミラビリスも同様のセットで組んでましたが有る程度の幼虫も採れており現在は小プラケースに材1本と縮小です。

ウムハンギ♂の個体差
前にも書きましたが気になっているのがウムハンギ♂の個体差です、WD個体の同サイズ間で比べても見た目で違うんです、以前誌面等で見ていたイメージは頭デッカチで・武骨なカッコ悪いイメージでした。選んできたのもBE-KUWAノコ特集で見たのに近い個体でしたが、ミラビリスの様な顎をしたウムハンギも一緒に入荷してましたから・・・

追記
後にエリザベスノコと別亜種での登録され納得出来ました。