WineCellar

使えるワインセラー編

虫専用の小屋や部屋をエアコンにて温度管理が可能なら最高ですね、でも大半の方は部屋の片隅で工夫を凝らして飼育されてる事と思います。私もその一人でリビングの一角のみが現在使用出来るスペースになり、クーラーを載せたガラス温室とワインセラーを数台並べて何とか飼育しています。
温室クーラーは家電量販店で買える部屋用エアコンに比べ、専用モデルで生産台数も少なく割高感は否めません。また殆どが生産終了となり新品では購入も難しいのが現状でしょう、それに比べワインセラーはヤフオクでも中古品を含め結構安価で入手する事が可能です。私も今までに数台購入しており、その実際に使用した感想より購入時に失敗しないオススメポイントをお知らせ致します。

クワガタ飼育にワインクーラー・ワインセラーを選ぶポイント


●オークションで中古を狙う場合は比較的年式の新しい物を。
廉価なペルチェタイプは壊れやすく品質面に不安が有ります、さらに中古品は保障期間が過ぎてる場合が大半なので購入時は良くチェックしてから決めましょう。安く買えても直ぐに壊れてしまい廃棄する時にもリサイクル料金が発生しますので逆に高くつく場合も有りますので。

●夏季に保管場所が、30℃を超える場合は能力面を考慮しコンプレッサー型を。

●設定温度の上限が最低でも18℃以上のタイプを。
20℃なら更に良しです、管理可能な種の幅が広がります。

●後々の事を考えて容量も出来るだけ大きなタイプを。
大プラケースが収納出来る物なら夏場でも産卵セットを組めます。

●温度調節がデジタル式の場合は停電時に設定温度に復帰するかリセットされてしまうのか確認を。



これまでに使用した(使用中の)モデルの紹介

ディール ワインクーラー  ペルチェ方式150L  

5〜6年前に新品で楽天オークションで3万円弱で入手。

実働期間は故障の為2年弱と短命でした、「もりのとびら」のベースになってるモデル見たいです。以前は良くヤフオクでも見かけましたが最近は少ないですね。

逆サーモと併用し基本設定18℃より上の20℃設定にて使用してました、またラックは波打った金属製で使い難い為に使用せず、べニア板で自作。

冷却能力(2) 保湿(2) 容量面(4) 作動音の静かさ(3) オススメ度(2)
容量も150Lで数多くのボトルが収納出来たのは良かったのですが、水滴の受け皿が小さく常時溢れてしまい大変でした。ペルチェ素子の冷却ユニットを2個使用してるのですが、それでも夏場30℃を超える環境下では25℃が限界でした、最終的にペルチェ部分が故障し直せるスキルの有る友人へ譲渡し現在も稼働中との事です。

サンヨー製 RM−190KW ワインクーラー  コンプレッサー型172L

ディールの放出後にヤフオク物色中に出物を発見し落札、1万円台でした。新品価格は調べると40万円前後らしいですが、この形式は年式の古い物なら中古でかなり安く入手出来ます、ただサイズが大きく重量も85kgにて運送費も1万円以上かかる場合も有るので注意。

内容量は172Lと十分でラックの調整も小刻みでスペースを有効に使えます、現在も稼働中の1台。

正面下部のパネル内に機械ユニットが有り、改造等の手を加えやすい構造です。
冷却能力(5) 保湿(2) 容量面(5) 作動音の静かさ(1) オススメ度(5)
上限設定20℃仕様なのでしたが、実際には17℃まで下がり過ぎる為にサーモ部分を交換し25℃まで設定可能に改造。
コバシャ大が1列に2個収納出来るので収納面が優れ十分にメインとして十分使えます、ただ年式が古く音が煩いのがネック。構造自体は簡単なので軽微なトラブルは自分で直せたりも出来ます、また補償期間を過ぎてますが有償にてサンヨーの出張修理も受けれるのも非常に助かります。

三ツ星貿易 Excellence MW-70CE ワインクーラー  熱吸収型70L

アンモニア式熱吸収型のワインクーラーです。
現在でも扱ってるショップは多く探しやすい物です、中古ならヤフオクで1万円前後で購入可能です、また新品でも3万円台なので比較的お求めやすいモデルですね。
同シリーズにはメインでも使えそうな150Lタイプもありますが、基本的に温度コントロールが難しい機種なのであえてオススメはしません。

我が家では主に材飼育と新成虫を寝かせる用途で活躍してました。中古品で購入の為か2年を持たずに現役リタイア・・・
ただ此方もディール同様、友人が修理し使用中。
冷却能力(3) 保湿(4) 容量面(2) 作動の静かさ(5) オススメ度(3)
設定可能上限は16℃の仕様でしたが、実際には18℃まで設定出来ました。
停電時は設定温度がリセットされ10℃位になるので要注意。
木製のラックはそのまま使えて◎、70Lの縦長型で横幅が狭くボトルを置くのには中途半端でメインに使うには物足りません。あくまでコレはサブとしてですね。

三ツ星貿易Excellence MB-111C  ワインクーラー コンプレッサー型110L
上のMW-70Cと同じExcellenceシリーズですが、此方はコンプレッサー型です。現在でも販売されてるモデルで新品で4万円台、中古なら1〜2万円位から探せるでしょう。
昨年末、飼育頭数の限界を超え容量の大きいモデルが必要になり置き場所確保の為に近隣のブリーダーさん差し上げました。我が家での実働期間は1年未満でしたが、結構使える部類に入ります。
冷却能力(4) 保湿(2) 容量面(4) 作動の静かさ(4) オススメ度(3)
設定可能温度の上限は18℃とギリギリ使えるラインです、また実際に18℃設定時は17〜20℃でした。
温度設定はダイヤル式で温度表示機能は有りませんが、停電時からの復旧後も設定温度は変わらないのは良いと思います。
木製ラックはフラットなので使えます、保湿機能は水を入れる保湿トレイが付いてます。

フォルスターST−NV270G ワインセラー コンプレッサー型270L

飼育スペースが手狭になった事で昨年110Lのを放出し、フォルスター270型に狙いを絞りリサイクルショップやオークションで物色、実際に探していたのは同シリーズで一番安いモデルのガラス扉でないモデルでしたけど、2007年式で予想以上に安い出物を発見し即購入しました。
フォルスターはスイスのメーカーですが、270シリーズはサンヨーが国内でライセンス製造してるモデルらしく、アフターサービスもサンヨー受けてくれるので安心です。


冷却能力(5) 保湿(5) 容量面(5) 作動の静かさ(4) オススメ度(5)
設定可能上限温度は19℃ですが、ヒーター機能も有るので外気温が10〜12℃でも19〜20℃をキープし大変使い易いです。また作動音も之まで使ってきた物に比べ静かでした。
金属製のラックの上に一枚プラスチック製の園芸シートを載せて使用してます、保湿機能有り。

フォルスターST-98SR ホームセラー コンプレッサー型98L
コンプレッサー型ですが、ファンより冷風が出るモデルでは無く庫内壁面が冷たくなり内部の温度を下げる仕組みでした。
当時菌糸ブロックとボトルのストックを貯蔵目的で購入、特に手を加える事無く使用してました。
作動時はコポコポと水の流れる音が僅かに聞こえる程度です、最下部のガラストレイに結露した水滴が溜り保湿します。

画像と同じモデルのジャンク品が1台有ります、コンプレッサーのガスが抜けてる?らしく冷えません。直して使おうと思う方がおりましたら無償で差し上げます。(3月6日)
冷却能力(5) 保湿(5) 容量面(3) 作動の静かさ(4) オススメ度(2)
設定可能上限の18℃の場合、実際には16℃以下まで下がっているのを確認しました。菌糸ブロックを積み重ねていた為に空気の流れを遮断していたのかも知れません。
幼虫の保管には若干の改造は必要かもと思います。

三菱電機MEE PMP-25A-W電子適温庫  25L

こちらはワインセラーでは無く、0〜45℃まで設定可能な電子適温庫です。本来の用途は食品のチルド保存やパン生地発酵等らしいです。ペルチェ式ですが、ファンは無く庫内を包む壁面の金属自体が冷えたり暖かくなる仕組みです。

定価は5万円位?ですが、ヤフオクで新品同様で1万円台での落札でした。
ほぼ正確に設定温度を常時キープする優れもので、卵の孵化器に使用したり、ウッディ新成虫の休眠専用としても重宝してます。
冷却能力(5) 保湿(5) 容量面(1) 作動の静かさ(5) オススメ度(5)
同社が扱う理化学用のインキュベーターと仕組みは同じらしく温度精度が高く他の物と比べ物になりません。
25Lと容量は少くメインには全く向きませんが、使用用途の範囲は幅広く持っていると便利な1台です。

個人的な感想ですが、メインで使うならコンプレッサー型の大型の物です。先にも書きましたが、ペルチェ式で中国製廉価モデルは自分なら買いません。ペルチェ自体が故障すると如何にもならず、それ以前に作りの甘さからの故障するケースが多々有りましたから。


補足

本来はワインを長期保存する為の物なので、冷蔵庫と違い設定温度の上限が18〜20℃まで使えるのがクワガタ飼育に使える大きなメリットになります。
ヒーター機能の付いてるタイプをワインセラーと称し、冷却機能のみのタイプはワインクーラーと区別されてる様です。ヒーター機能が有れば冬季に設定温度が外気温より低い場合でも庫内の温度は維持可能で理想的なのですが、本格的なタイプになりますから価格も数十万円と手の届き難くくなります、、、逆にワインクーラーの方は新品でも10万円以下の物が大半で中古なら更にリーズナブルになります。
中古品での購入は安価で入手出来る反面、補償も切れているので故障した場合の事も考え年式やメーカーと生産国も良く見て判断されるのが宜しいでしょう。

基本的に冷却方式には「コンプレッサー」「ペルチェ」「アンモニア熱吸収」と3つのタイプが有ります。
コンプレッサー型は心臓部は家電冷蔵庫と同様で冷却能力も高く夏場30℃を超える環境下でも安心して使用出来ます、年式の古くなった物は音が煩いデメリットも有り。

ペルチェ素子を使用したタイプは作動音自体は左程煩く無いのですが、簡易保冷庫と同様の能力にて冷却面での不安が有ります。30℃を超えるような環境下では外気温から−5℃までが限界になる事のも想定出来ます。

熱吸収方式は庫内奥鉄板をアンモニアの気化熱を利用し冷却します、冷却板に結露した水滴が付き保湿効果も高いです。只、ファンの付いて無いタイプが多く設定温度に到達するまでの時間が長いのが難点です。

最後に。
フィルター部分の清掃はコマ目に行いましょう!知らず知らずの内に性能が低下し猛暑の折に機能停止に・・!
1日でも発見が遅れたらと思うとホント怖い話ですね。(私の実体験です)
コンプレッサー等の心臓部が逝かれてない限り、その様な場合は解体し内部に溜まったホコリを取り除くと機能回復すると思います。